超新星カミラ・ワリエワの異次元の強さに注目！ロシア国内No.1を決める熾烈で華麗な戦い

北京五輪を控え、特別なシーズンとなっているフィギュアスケート。トップ選手を次々に輩出してきたロシア勢は、近年女子シングルでは特に圧倒的な強さを誇っている。昨シーズンは、"ロシア3人娘"ことアリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トゥルソワの台頭が最大のトピックだった。

完成度の高いトリプルアクセルと美しいスケーティング技術を武器にするコストルナヤが、合計点で世界最高を更新してGPファイナル女王に。2位にシェルバコワ、3位にトゥルソワと、シニアデビューしてまもない少女たちが、グランプリファイナルの表彰台を独占。メダルを手にあどけない表情を見せる3人娘が世界を驚かせた。

そして今シーズンはさらなる超新星が登場した。シニア1年目にして異次元の強さを見せているカミラ・ワリエワだ。今季のGPシリーズ第2戦で自らが更新した歴代最高点を、第6戦ロシア大会で再び更新。ショート、フリー、合計で歴代最高点をマークし、2位に40点以上の差をつけて優勝した。振り返れば3月に行われた世界選手権でも、シェルバコワを筆頭にエリザベータ・トゥクタミシェワ、トゥルソワとロシア勢がまたしても表彰台を独占。もはや"ロシア一強時代"と言わざるを得ないだろう。

そんなフィギュア大国ロシアの国内No.1を決める「ロシアフィギュアスケート選手権2022」が12月23日(木)から開催予定(J SPORTSにて12月28日より全種目放送)。世界トップのハイレベルな選手たちがひしめき合う、最も熾烈で華麗な北京五輪の代表争いが繰り広げられることは間違いない。

昨年「ロシアフィギュアスケート選手権」は、アクセルを除くと最高難度の4回転ルッツをコンビネーションでやってのけるシェルバコワが優勝し、3連覇を達成。ジュニアながらすでに圧巻の演技を見せたワリエワが2位に輝いた。女子初の4回転トゥループ、フリップ、ルッツを成し遂げ、"女子4回転時代"を代表するトゥルソワが3位となった。

今年一番の注目は、やはり今季GPシリーズでも突出した強さを見せたワリエワだろう。両手を上げたタノスタイルで決めるトリプルアクセルや4回転の高難度ジャンプ、手足の長さを活かした流れるようなスケーティングと高い表現力で完成された強さを誇る。また、次々と若手が現れ入れ替わりの激しい中で、ベテランとして挑戦を続けるトゥクタミシェワの演技にも注目したい。いずれにせよ、新旧入り混じっての熱い戦いが展開することは間違いないだろう。

女子だけでなく、男子シングルもGPシリーズ第3戦・第6戦とも2位の好成績を残したミハイル・コリヤダや、ドミトリー・アリエフら注目の選手がエントリーしている。ペアでは世界選手権3位の実績を持つアレクサンドラ・ボイコワ＆ドミトリー・コズロフスキー組、アイスダンスのビクトリア・シニツィナ＆ニキータ・カツァラポフ組らの動向も気になるところ。北京五輪に続く世界屈指の戦いから目が離せなくなりそうだ。

文＝中川菜都美