コラム&インタビュー
提供:HOMINIS

名物・黒沢幸司アナが伝授する、"ロッテならでは"の楽しみ方とファームの魅力

2022/4/20(水)

川崎球場を本拠地としていた26年前からロッテを応援し始め、フリーアナウンサーとして20年近くチームの魅力を伝えている黒沢幸司。一軍、そして二軍を長らく見てきたからこそ知る、"ロッテならでは"の楽しみ方があるという。パ・リーグのペナントレースはもちろん、ファームをより面白く見るための秘訣を聞いた。

■ロッテの選手は"アベック"で台頭

ロッテで活躍する選手たちはなぜか、一人ではなく"アベック"で出てくる場合が多いです。

堀幸一と初芝清、西岡剛と今江敏晃。外国人もフランク・ボーリックとデリック・メイ、メル・ホールとヘンスリー・ミューレン。1995年にフリオ・フランと一緒に来日したピート・インカビリアは、期待通りの活躍をすることはできませんでしたが...。

なぜか理由はわかりませんが、"対"になっているんですよね。キャッチャーでは、里崎智也と橋本将も同時期に活躍しました。

今だと、藤原恭大と山口航輝、あるいは安田尚憲と山口。今年一軍で期待されているのは、平沢大河と髙部瑛斗です。

ファームに目を向けると、将来楽しみなZ世代が西川僚祐と村山亮介です。2人とも千葉出身なので、数年後に台頭してくれば面白いと思っています。

■ドラ1松川と同世代の大型捕手

西川は船橋市出身で、佐倉シニア時代は全国優勝の経験もあります。高校は東海大相模に進み、1年生の頃から4番を任されました。高校通算55本塁打で、神奈川大会でもすごく活躍している印象があります。そうした姿が目に止まり、2020年ドラフト5位でロッテに入団しました。

去年、たまたま「日テレジータス」でファームの中継を見ていたら、ジャイアンツ球場の巨人戦で打ったイースタン・リーグ初ホームランを見ることができました。高校時代は横浜スタジアムの上段に金属バットで運んでいましたが、プロになったらジャイアンツ球場の上段に木製バットでかっ飛ばしていましたね。

ロッテは長らく、右の大砲を求めています。今シーズンの山口も楽しみにしていますが、その後の世代を考えると、西川に台頭してほしいところです。東海大相模の先輩には大田泰示(DeNA)がいますし、名を残す選手になってくれるのではと期待しています。

一方、村山は2021年育成4位で入団しました。地元の幕張総合高校出身のキャッチャーです。

幕張総合は、いわゆる強豪ではありません。僕は千葉県の高校野球を実況しているので村山の名前は知っていましたが、夏の大会で活躍したわけではなく、ドラフトで指名されたときは驚きました。こういう選手をそんな選手を見つけてくるのは、スカウトの人はすごいなと思いましたね。

今のロッテは、キャッチャーの争いが面白いです。昨年の主力だった田村龍弘と加藤匠馬、さらに柿沼友哉と佐藤都志也がいて、去年のドラフト1位では市立和歌山高校から松川虎生を獲得。その裏で、「幕張のアジャ2世」の異名を持つ村山も指名しました。村山は186cm、108kgの大型捕手で、高校通算36本塁打。村山が成長していけば、松川と"アベック"での活躍も期待できます。

■二軍から始まる成長物語

若手ピッチャーで期待しているのは、古谷拓郎と横山陸人です。古谷は習志野、横山は専大松戸で、いずれも高校時代に千葉大会で実況しました。

今年のロッテは投手陣が充実していますが、古谷と横山は一軍でチャンスをつかむことができるか。そういう展開になれば、チームとしても戦力が一層充実してくると思います。

2人とも開幕は二軍で迎えることになりましたが、若手選手がいつ一軍に上がってくるかと見ていくのもファームならではの楽しみ方です。高校時代には甲子園で活躍していなくて、「この人、誰だろう?」と思っていた選手がプロに入って成長しいく姿を二軍の頃から見ていく。そうやってチームと選手を追いかけることで、物語は深まっていきます。

選手との距離が近いこともファームならではの魅力です。ロッテ浦和球場にはブルペンの後ろに草むらがあり、そこで僕はキャッチャーや球審になった気分で見ていました。「プロのピッチャーって、こんなに球が速いんだ!」とわかりましたし、「頑張って!」と声をかけてもいい。

試合が終わった後、居残りでランニングをしている選手たちもたくさんいました。プロ野球選手って、こんなに走るんだって初めて知ったのもファームです。
ファンが見えないところで、選手たちは頑張っているんだなって感じましたね。なかには「朝、7時くらいから練習を始めているよ」という人もいました。サラリーマンが9~17時で働くより、大変です。朝早く球場に来て練習し、試合が終わった後も、居残り練習や体のケアなどやることがいろいろあります。

そうやって浦和で頑張ってきた選手たちが、マリンで活躍する姿を見る喜びはなんとも言えないものがありました。ファームを見ることで、ロッテへの愛はどんどん深まっていきましたね。

■チョコレートの匂いを嗅ぎながら...

ロッテ浦和球場は、JR埼京線と武蔵野線の武蔵浦和駅から徒歩10分ほどのところにあります。一軍の本拠地がある幕張からは距離がありますけど、場所がいいですよ。駅から歩いていくとロッテの工場があるので、チョコレートの匂いを嗅ぎながら歩いて行けます。僕もワクワクしながら通っていました(笑)。

ロッテのユニフォーム姿でバットを構える黒沢幸司
ロッテのユニフォーム姿でバットを構える黒沢幸司

今年のロッテには、去年逃したリーグ優勝を期待しています。アナウンサーとしては、優勝シーンを実況したいですね。

ファーム優勝の瞬間も実況したことがないので、ぜひやってみたいです。イースタン・リーグ優勝を決める瞬間、ロッテの二軍はどこにいるのか。ファーム日本選手権では、松山の坊っちゃんスタジアムとかに行きたいですね。なかなか味わうことはできませんから。

ロッテのことなら、こうやっていつまでも話していられます(笑)。これからも、一軍、二軍ともに楽しんでいきたいと思っています。

インタビュー/構成=中島大輔 企画=This

【インタビュー前編はこちら】

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