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サッカー指導者・風間八宏が語る!21/22ドイツ ブンデスリーガの見どころ
2021/8/7(土)
欧州5大リーグの一つであるドイツ ブンデスリーガの21/22シーズンが、8月13日(金)より開幕予定。10連覇が懸かるバイエルンの牙城を崩すチームは現れるのか?ドイツで5年間のプレー経験を持つ、サッカー解説者であり、指導者でもある風間八宏さんに今シーズンの見どころを伺った。
■バイエルンの動向に加え、日本人選手にも要注目
多くの日本人選手がプレーしているため、日本でも注目度の高いドイツのブンデスリーガ。コロナの影響でほぼ無観客で試合が行われた昨シーズンは、風間八宏さんによると歴史的なシーズンだったという。
「王者・バイエルンのレバンドフスキが41得点を挙げ、ブンデスリーガのシーズン最多得点数を49年ぶりに更新するなど、いろいろな意味で歴史的な年であったと思います。レバンドフスキは他国チームへの移籍の噂もありますが当然、バイエルンは水面下で調整を行なっているでしょうから、強さは揺るがないでしょう」
その対抗馬となるのは、やはりドルトムント。昨シーズンはリーグ3位も、UEFA欧州リーグ本戦の出場権が与えられるドイツカップでは優勝を果たした。
「ドルトムントはリーグ後半で持ち直したので、バイエルンと2強であることは変わらないと思います。ここ数年上位に定着しているライプツィヒも優勝争いに絡んでくるでしょう。シュトゥットガルトは監督が続投すれば、その勢いのまま新シーズンに向かうと思います」
その中で注目したい日本人選手の筆頭は、シュトゥットガルトの遠藤航だという。
「日本人のボランチの選手でここまでドイツで注目された選手はいませんでしたので、高く評価すべきだと思います。ドイツで活躍するためには、チームにフィットすることが何より大切です。昨季、堂安律はビーレフェルトでチームの戦略にフィットし、攻撃のタクトも振れて、中心的な選手になった。フランクフルトの鎌田大地もチームへの理解を深めたことで伸びてきました。今まで以上のスピードで指示を出し、パスをし、次のポジションを取れている。彼の才能はもっともっと伸びると思います」
ドイツサッカーは層の厚さも大きな魅力で、1部のみならず下部リーグも盛ん。だからこそ、常に新たなチームと才能豊かな選手が生み出されている。
「ドイツは選手の育て方もうまいので、新シーズンもバイエルンのジャマル・ムシアラ(18歳)のような面白い若手が出てくるでしょう。下部リーグから移籍してきて急に活躍する選手もいるので、試合の解説を頼りに新たな選手を見つけていくと、さらに試合を楽しむことができますよ」
取材・文=及川静
かざま・やひろ●'61年10月16日生まれ、静岡県出身。大学在学中に日本代表に選出され、'84〜'89年まで渡独。国内&Jリーグで活躍した後、母校の筑波大や川崎フロンターレなどの監督を務め、指導者としても手腕を発揮している。