コラム&インタビュー
提供:HOMINIS

【後編】"推し"の選手を見つけ、ファームまで徹底的に追いかける。オリックスファンの人気YouTuber・B-モレルが実践する、プロ野球がより楽しくなる"推し活"のススメ

2022/8/20(土)

オリックスの選手を中心に「全力絶叫」で応援するスタイルが人気を博している、YouTuberのB-モレル。2016年夏、ファームの本拠地がある舞洲まで"推し"のブレント・モレル選手を見に行くようになり、ファームならではの楽しみ方を知った。スポーツバー「circle change」の店主としてもファンを楽しませているB-モレルに、後編ではファームやプロ野球の魅力がより感じられる"推し活"の秘訣を聞いた。

■ラベロに寄せる、期待と愛着のループ

舞洲までモレルを追いかけて「B-モレル」という名前を引き継いだ僕が今、ファームで特に"推し"ているのがランヘル・ラベロとブレイビック・バレラです。

ラベロは昨年夏に入団し、コロナによる入国待機期間が明けてすぐのファームの試合で左手首にデッドボールを受けて骨折、ペナントレースの出場は2試合に終わりました。それから今年は春季キャンプで頑張って、開幕戦から一軍で出ていたけれども打率1割台に低迷し、5月4日に登録抹消されています。

近年のオリックスは外国人打者がなかなか活躍できずにいる分、僕はラベロに大きな期待をかけているんですよ。ただ、不甲斐ない結果が続いているから、YouTubeではいつも厳しく言ってしまいます。ずっと気にかけているからこそ愛着も湧いてきて、ますます気になってしまう存在なんですよね。

ラベロは練習もすごく熱心に取り組む選手です。ウエイトトレーニングの様子もインスタによく上げていますしね。ファームを見に行っている人からも、「ラベロは試合前から打撃練習をすごく頑張っている」と聞きます。そういう努力が報われたらいいなって思いますね。

■ジャパニーズドリームをつかめ!

一方、来日1年目のバレラは開幕から2番や5番を打ってきましたが、5月13日の試合で空振りした際に右手を痛め、骨折と診断されて翌日に登録抹消されました。

ラベロとバレラに共通するのは、アクシデントでファームに落ちても腐らないところです。こちらとしても求めるものが高いからこそ、「こんなところで腐るなよ!」みたいな気になりますね。

ラベロはキューバ、バレラはベネズエラ出身で、わざわざ異国の地に来ています。外国人選手の中には、コロナ禍で家族と一緒に来られない人もいますよね。僕がそういう状況に置かれたら、すごく不安に感じると思います。例えば、いきなりメキシコかどこかに行って、1人で全部やれとなったら......。そういう点でも、ジャパニーズドリームをつかんでほしいですね。

そうやって2人を応援する気持ちと、名前が似ているということで、"バレラベロ"って呼ばせてもらっています。セット的な感じで(笑)。一緒に一軍で活躍してほしいですね。

自身が店主を務めるスポーツバーでは、様々なファンが集まって毎晩プロ野球談議を繰り広げている。
自身が店主を務めるスポーツバーでは、様々なファンが集まって毎晩プロ野球談議を繰り広げている。

写真:本人提供

■後藤駿太への"複雑"な想い

他にファームで期待している選手の名前を挙げると、左腕の富山凌雅投手。去年は一軍で51試合に登板して、中継ぎで優勝にすごく貢献しました。でも、今年はなかなか調子が上がってこないみたいで6月上旬からファームにいます。

一軍のブルペンは去年から結構メンツが変わっていて、優勝に貢献してくれた中継ぎピッチャーがほとんどいないんですよ。吉田凌、海田智行、山田修義......みんな、いないんです。

ファームでは投げているけれど、調子が上がらないみたいですね。去年の優勝の立役者たちなので、今季の残り試合中に意地を見せてほしいです。

他球団の"推し"も挙げると、やっぱり中日に行った後藤駿太ですね。2010年のドラフト1位で大石達也(元西武)、伊志嶺翔大(元ロッテ)、山田哲人(ヤクルト)をくじ引きで続けて外して、それで獲った選手です。

高卒1年目から開幕スタメンで出て、すごく期待されていたんですよ。オリックスがちょっと強かった2014年も打率2割8分の活躍を見せて。その時はまだ21歳で、ファンにとっても若い頃から見てきている選手だから期待感も他の選手とは違いますよね。

運動能力は誰が見ても高いと思うけれど、バッティングの課題があって、もう一皮むけ切れない状態が数年続いていて。でも、なかなか見切りをつけることはできないですよね。昔から見ているから......。登録名を「駿太」からフルネームの「後藤駿太」に変えてみたこともありましたね。

彼は特にファンサービスがいい選手です。キャンプに行ってファンへの対応が良かったら親近感も生まれますしね。そういう選手が試合で活躍したら、「あのときサインをもらってよかったな」となって、またこれまでとは違う野球の見方ができますよね。

結局、今年7月にトレードで中日に行きましたけど、もちろん寂しかったですよ。ただし今、一軍では後藤駿太と同じような位置づけの選手たちがたくさんいます。オリックスにこのまま在籍し続けても出番はなかなか限られているかなと感じていたので、彼のことを考えれば、良いトレードだったと思いたいです。

■バックストーリーが"今"を彩る

モレルや後藤駿太、"バレラベロ"の話をさせてもらったように、オリックスの魅力は選手との距離が近いことです。

後藤駿太はもういないけど、ファームで出ているときは成績をチェックしていました。今はラベロの動向を追いかけています。やっぱり自分の好きな選手が不調でファームに落ちてしまったときには、這い上がってほしいじゃないですか。

今季のオリックスは連覇を狙える位置につけていて、もちろんシーズンの行方は一番気になるところです。それ以外に気にしているのは、選手一人ひとりの背景にあるストーリーですね。選手個々にフォーカスして野球を見るのは、僕のYouTubeでもメインにしています。

それこそ後藤駿太はずっと推してきました。去年、守備でやらかしたプレーもあったんですけど、シーズン最終戦では二塁からの激走を見せて2ランスクイズを決めました。僕が後藤駿太をずっと推しているからこそ、それに共感してくれる視聴者の方もいましたね。

選手一人一人にフォーカスして見ると、その裏にあるドラマも見られて面白いと思います。だからチームの勝敗や順位だけではなく、僕のラベロのように"推し"の選手を1人つくって、徹底してファームの成績から何から何まで追い続けて、バックストーリーも見る。それから"今"のプレーを見たら、また見えてくるものが違うと思うんですよね。だからこそ日々、ファームの試合もチェックしています。

インタビュー/構成=中島大輔 企画=This、スカパー!

【インタビュー前編はこちら】

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