コラム&インタビュー
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【後編】フリーアナウンサーを経て、阪神二軍キャンプにピラティス講師として招聘された市川いずみ。ドラ1・森木大智や若虎選手たちの「役に立ちたい」

2022/6/23(木)

ソフトボールのプレー経験を持ち、プロ野球のテレビ放送で副音声の実況も担当したフリーアナウンサーの市川いずみ。今年はピラティスのインストラクターとして阪神の春季キャンプに招かれ、「野球選手の役に立ちたい」と早稲田大学大学院で研究を深めている。後編では、そんな市川ならではのタイガースとファームの楽しみ方を聞いた。

■鳴尾浜で深めた野球観

タイガースは2025年からファームの本拠地を尼崎に移します。ということは、鳴尾浜球場で観戦を楽しめるのは2024年までということです。

私はフリーランスになった2015年から阪神の取材をするようになり、「どんな練習をしているのかな?」「ケガの具合は良くなったかな?」とか気になることがあればすぐに鳴尾浜に行きました。聞きたいことが特になくても、グラウンドで立っているだけでもいいので(笑)。立っていたら絶対に誰かと会話になるので、話をして帰ります。私にとって鳴尾浜は野球の奥深さを知ることができた場所ですね。

最寄り駅の甲子園駅からバスで約20分とアクセスは決して良くなく、収容人数は500人。レフトは狭いというか、高いネットが張られていてホームランでも打球が跳ね返って落ちてきます。

そのレフトの奥にある選手寮「虎風荘」はご飯がすごく美味しいらしく、取材中のグラウンドには寮からいい匂いが漂ってきました。鳴尾浜にファームを見に行けば、美味しそうな匂いを嗅げるかもしれません(笑)

ただし、屋根がないので日焼けします。特に女性ファンは万全の予防をして行ってくださいね。

■飛躍が期待される主軸候補

ファームでオススメの選手を挙げると、まずは高卒1年目の前川右京選手です。176cm、88kgとそれほど大きいわけではないですが、パワーがある打者です。

智弁学園に入学してすぐの頃、小坂将商監督が「飛距離は岡本和真(巨人)が入ってきたときよりすごい」と言っていました。今の金属バットは強く振ると割れることもあるのですが、前川選手はかなり多くの金属バットを割ったそうです。高校時代からすごく練習する選手で、タイガースでの活躍を楽しみにしています。

野手でもう1人、特に期待しているのが2019年ドラフト2位の井上広大選手です。188cm、100kgで、トレーニングも好きな選手です。大きい身体を持つだけでなく、アニマルフローという動物の動きを取り入れて肉体の可能性を引き出すトレーニングなどにも挑戦しています。ぜひ同世代の奥川恭伸選手(ヤクルト)と一軍で対戦する姿を見たいですね。

■復活間近の右腕&本格派左腕

ピッチャーでは高卒6年目の才木浩人投手を応援しています。すごくポジティブで、話しているとこっちが元気になるくらいです。自分で新しい用語をつくって前向きになったりするタイプで、例えば「野球をするのもワクワクドキドキ楽しみながらやった方が絶対いいじゃないですか」と言ってきて、「ワクワクドキドキって長いんで、僕は"ワキワキ"します」って言うんです。

高卒2年目に6勝した後、トミー・ジョン手術(右肘内側側副靱帯再建術)もあって2020年から一軍での登板はありません。一度育成登録になり、リハビリを経て今年支配下登録されました。5月26日のウエスタン・リーグでは完封勝利を飾るなど、能力が高い選手です。

189cmの長身で、手足が長くて投げている姿に躍動感もあります。一軍の登板が決まったら、どこの球場でも見に行きたいくらい応援しています。

もう1人は、及川雅貴投手。2019年のドラフト3位で、西純矢投手、井上選手と同期です。同い年の選手たちの中にいると、1人だけ高卒ではないくらい落ち着いています。考え方も大人だし、言語化も上手で、クレバーな選手です。

ピッチングはもちろん、ぜひウォーミングアップを見てください。走っている動きが軽快なんです。バネがあって、何をやってもすごいんだろうなと感じますね。

2017年に掛布雅之二軍監督が退任した際のセレモニーでインタビュアーを務めた市川いずみ
2017年に掛布雅之二軍監督が退任した際のセレモニーでインタビュアーを務めた市川いずみ

■イッチーから市川先生へ

私は今年の春季キャンプにピラティスのインストラクターとして招いてもらい、ファームの選手たちに4日間教える機会がありました。特に驚いたのが、去年のドラフト1位で入団した森木大智投手の意識の高さです。

ピラティスでは自分の体をコントロールしていく動きが多くあるのですが、森木投手はすごくうまかったですね。身体のことにもすごく詳しいし、キャンプ中の食事を全部写真に撮って記録していました。今の高校生って、18歳でこんなに知識があるんだなって感心しましたね。 

森木投手に私が教えている写真を在阪のスポーツ紙が結構大きく取り上げてくれて、紙面を見たときにはすごく不思議に感じました。今までは球団の人から「イッチー」と呼ばれていたのに、「今はイッチーと呼んだらあかんな。市川先生やな」って。平田勝男監督にも「先生、先生」って言われて(笑)

ピラティスはリハビリや故障予防にも効果があります。二軍にはケガ持ちの選手もいることに加え、最近のタイガースには高卒の若い選手が多いので「ピラティスのようなトレーニングもあるんだよと触れさせる機会にしてあげたい」と依頼を受けました。ピラティスで可動域が広がったり、身体のコントロールがうまくなったりすると、絶対パフォーマンスアップにもつながってくると思います。

そもそも私が始めたきっかけは、家で寝転びながらストレッチポールでゴロゴロしながら阪神の試合を見ていたら、ゴンって落ちて腰を痛めたことです。それを治すためにピラティスに通い出したら、ゴルフやサッカーのアスリートもいてトレーニングであることを知りました。ロサンゼルスに行ったときにエンゼルスとドジャースの施設にはピラティスのマシンがあって、これはやっぱりすごくいいトレーニングだなって思いましたね。

でも、タイガースの選手に聞いても「何?そのティラミスって?」という状況でした。2019年くらいのことです。それから数年経った今年、春季キャンプに招かれるようになってすごくうれしかったですね。

■イニング間に「ドローイン」を!

私は高校野球の取材もしていますが、練習のやり過ぎなどで腰痛分離症になって2年間を棒に振る選手も見てきました。高校野球は実質2年4カ月しかないので、選手たちには何の心配もなく野球に打ち込んでほしいです。

そのために少しでも役に立ちたいと思い、去年から早稲田大学の大学院に進学しました。野球部の選手たちにピラティスを続けてもらってどれくらい腰痛が減るのか、腰痛を発症する危険因子になる可動域の制限がどれくらい改善するかを研究しています。

選手たちはもちろん、プロ野球ファンの皆さんにもピラティスはオススメです。特に腰痛を抱えている方や、予防をしたい方にやってほしいのが「ドローイン」という呼吸法です。

よく「腹筋」と耳にすると思いますが、それで鍛えられるのは腹直筋という外側の筋肉です。その中にある腹横筋がうまく働くようになると、腰痛の改善を期待できます。 

ドローインのやり方としては、おへそを少し後ろに引き込むように呼吸してください。小さい声で「はい」の「は」を言ったときに、ちょっとお腹がクッと入る感じです。そのときに腹横筋が収縮しているので、そこを意識しながら鼻から吸って口から吐いて呼吸すると、腹横筋を使えると思います。テレビでプロ野球中継を見ているとき、ぜひイニング間にやってみてください。

インタビュー/構成=中島大輔 企画=This、スカパー!

【インタビュー前編はこちら】

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